サブリースを解約したあと、管理はどうする?受け取る家賃の変わり方と、引き継ぐもの・空室の考え方
サブリースを解約すると、入居者の家賃を受け取る代わりに、空室・募集・修繕の負担がオーナーに戻ります。解約後の3つの道、受け取る家賃の計算例(家賃8.5万円で年 約9万円の差)、空室が何か月で逆転するか、サブリース会社から引き継ぐもの、段取りをまとめます。
執筆・監修:橋本裕介(不動産アナリスト/経済アナリスト・宅地建物取引士)|更新日 2026-10-27
結論: 解約後は「自分で管理」「管理会社に委託」「入居者付きで売る」の3つ
サブリースを解約すると、サブリース会社が部屋を借り上げて保証賃料を払う形が終わり、入居者が払う家賃をオーナーが受け取る形に変わります。その代わり、空室の月の収入、募集、修繕、入居者とのやりとりの負担がオーナーに戻ります。
解約後の道は大きく3つです。投資用ワンルームを本業の傍らで持つ人や、物件から離れて住む人にとっては、入金の確認や夜間の設備の故障に自分で対応するのは負担が大きく、管理会社に委託するのが現実的です。
- 自分で管理する(自主管理): 費用はかからないが、入金の確認・滞納の対応・設備の故障・更新の協議を自分で行う
- 管理会社に委託する: 毎月の管理料はかかるが、日々の対応と更新・募集の手配を任せられる
- 入居者付きのまま売る: サブリースを外した状態で売ると、受け取る家賃が上がった分、価格も上がる余地がある
受け取る家賃はどう変わるか(家賃8.5万円の計算例)
当社が集めた成約の資料では、保証賃料は同じ区・同じ築年帯の通常の家賃の90%(中央値)でした。入居者の家賃が8.5万円なら、保証賃料はおよそ7.65万円です。サブリースを解約して管理会社に委託すると、受け取るのは入居者の家賃から管理料を引いた額になります。
下の表は、入居者の家賃8.5万円・保証賃料7.65万円の部屋で、解約して当社の賃貸管理(ワンルーム専門管理・月980円)に委託した場合を比べたものです。入居が続いている前提では、年 約9万円多く受け取れる計算です。
| 項目 | サブリース中 | 解約して管理を委託 |
|---|---|---|
| 受け取る家賃(月) | 76,500円(保証賃料) | 85,000円(入居者の家賃) |
| 管理料(月) | —(保証賃料に含まれる) | 980円 |
| 手元に入る額(月) | 76,500円 | 84,020円 |
| 手元に入る額(年) | 918,000円 | 1,008,240円(差 約9万円) |
※ 入居が続いている前提の計算例で、管理費・修繕積立金・固定資産税は両方に同じだけかかるため表から除いています。保証賃料の水準は契約ごとに違い、相場並みかそれ以上の契約では差はほとんど出ません。更新の費用(ワンルーム専門管理は2年に1回 22,000円)と、空室のときの広告料・原状回復の実費は含めていません。ワンルーム専門管理の料金は税込・2026年10月時点のものです。詳しくは精度の検証ページをご覧ください。
空室が何か月続くと、サブリースのほうが多くなるか
解約の代わりに引き受けるのが、空室の月の収入です。上の例では、解約して増える額は年 約9万円で、入居者の家賃のおよそ1か月分に当たります。つまり、空室が平均して年に1か月を超えて続くと、サブリースのままのほうが受け取る額が多くなる計算です。退去のたびにかかる広告料や原状回復の実費を含めると、この境目はもう少し短くなります。
空室の続きやすさは、駅からの距離、築年数、周辺の募集の数、家賃の水準で変わります。いまの入居者がどれくらい住んでいるか、同じ建物で募集に出ている部屋がすぐ決まっているかも、目安になります。
売ることも考えているなら、価格の面も見ておきます。投資用ワンルームの売却価格は受け取る家賃で決まるため、保証賃料が通常の家賃より低い契約ほど、外したときに価格が上がる余地があります。
サブリース会社から引き継ぐもの
解約が決まったら、終了日までに次のものを確かめ、引き継ぎの段取りをつけます。入居者との賃貸借契約をどう引き継ぐかは、サブリース契約に定めがあることが多いので、まず契約書の該当の条項を確かめてください。
- 入居者との賃貸借契約書(家賃・契約期間・更新の条件・特約)
- 敷金(誰が預かっているか、引き継ぐ額)
- 家賃の精算(終了月の日割り、前払いの扱い)
- 鍵(本数、スマートロックの権限)
- 保証会社の契約(引き継ぎの手続きが要るか)
- これまでの修繕と設備交換の記録(給湯器・エアコンの年数)
解約から管理の開始までの段取り
管理が途切れる月を作らないよう、終了日から逆算して進めます。
- 1. サブリース契約の終了日と、終了の条件(通知の期限・違約金・入居者の契約の引き継ぎ方)を確かめる
- 2. 終了日までに、管理を委託する会社を決めて見積もりと開始日を受け取る
- 3. サブリース会社から、上の一覧のものを新しい管理会社へ引き継いでもらう
- 4. 入居者に、家賃の振込先と連絡の窓口の変更を書面で案内する
判断を誤りやすい例
解約後の手取りの計算では、増える家賃だけを見て、オーナーに戻る負担を見落としがちです。
- 入居が続く前提だけで計算する: 退去のたびに、空室の月の家賃・広告料・原状回復の実費がかかります
- 保証賃料が相場並みなのに解約する: 受け取る家賃がほとんど増えず、空室の負担だけが戻ることがあります
- 引き継ぎを終了日の直前に始める: 敷金や鍵の引き継ぎが間に合わず、入居者への案内が遅れることがあります
本記事は一般的な考え方の解説です。表示する価格は概算であり、実際の売却価格を保証するものではありません。売却をご希望の場合は、当社または提携する宅地建物取引業者が対応します。
この記事に関するQ&A
- Q. そもそも、サブリースは解約できますか?
- A. オーナーからの解約が成り立つかは、契約の内容と借地借家法の扱いで決まります。サブリース会社が借主になる契約では、オーナーからの解約に正当な事由が求められることがあるため、通知の期限・違約金・解約の条項を確かめてください。確かめる点はサブリースの解約の記事にまとめています。争いになりそうなときは専門家にご相談ください。
- Q. 解約すると、いまの入居者は出ていくのですか?
- A. 通常は住み続けます。入居者との賃貸借契約は、サブリース契約の定めに従ってオーナー側に引き継ぐ形になり、変わるのは家賃の振込先と連絡の窓口です。引き継ぎの条件は契約ごとに違うので、契約書で確かめてください。
- Q. 自分で管理する(自主管理)のは難しいですか?
- A. できますが、毎月の入金の確認、滞納の連絡、設備の故障への対応(夜間・休日を含む)、更新のときの賃料の協議、退去の立会いと原状回復の手配を、自分で行うことになります。物件の近くに住んでいて時間を取れる人でないと、負担が大きくなりがちです。
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橋本裕介
不動産アナリスト/経済アナリスト・宅地建物取引士
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