ワンルームの管理会社を変えるには?手順・期間・違約金と、変える前に確かめる6つの点
投資用ワンルームの管理会社は、入居者が住んだままでも変えられます。出発点はいまの管理委託契約の解約の条件です。切り替えの4つの手順、期間と違約金の決まり方、変える前に確かめる6つの点、費用の比べ方を、計算例つきでまとめます。
執筆・監修:橋本裕介(不動産アナリスト/経済アナリスト・宅地建物取引士)|更新日 2026-10-27
結論: 入居者が住んだままでも変えられる。出発点はいまの契約書
投資用ワンルームの管理会社は、オーナーが選んで委託している会社です。入居者との賃貸借契約の貸主はオーナーのままなので、管理会社を変えても入居者は住み続けられ、賃貸借契約を結び直す必要も通常はありません。
変えるときに最初に見るのは、いまの管理会社との管理委託契約書です。何か月前までに申し出るか(予告の期間)、違約金があるか、申し出の方法(書面かどうか)が書かれています。期間と費用は、ほとんどこの条件で決まります。
- 入居者は住み続けられる。変わるのは、家賃の振込先と連絡の窓口
- 期間は、いまの契約の予告の期間で決まる(契約書に書かれている)
- 違約金の有無も契約ごとに違う。変える前に確かめる
- 比べるのは毎月の管理料だけでなく、更新・募集・退去のときの費用の全体
管理会社を変える4つの手順
どの会社に変える場合も、流れはおおむね次のとおりです。新しい管理会社が決まってから、いまの会社に解約を申し出る順番にすると、管理が途切れる月を作らずに済みます。
- 1. いまの契約を確認する: 管理委託契約書の解約の条項(予告の期間・違約金・申し出の方法)と、入居者との賃貸借契約の内容を確かめる
- 2. 新しい管理会社から見積もりと開始日を受け取る: 毎月の管理料、更新・募集・退去のときの費用、引継ぎの費用の有無を、書面で確かめる
- 3. いまの会社に解約を申し出て、書類と預り金を引き継ぐ: 賃貸借契約書、敷金、家賃の精算状況、鍵、保証会社の情報を新しい会社へ渡してもらう
- 4. 入居者に案内して、管理を始める: 家賃の振込先と連絡の窓口の変更を、書面で入居者に知らせる
期間と違約金はどう決まるか
切り替えにかかる期間は、いまの契約の予告の期間しだいです。たとえば「3か月前までに申し出る」契約なら、申し出から3か月後が管理の切り替えの目安になります。月の途中で切り替えるときの管理料の扱い(日割りかどうか)も契約で確かめておきます。
違約金は、契約によってある場合とない場合があります。予告の期間に当たる管理料(3か月分など)を請求する契約もあります。契約書に書かれていない費用を求められたときは、根拠となる条項を示してもらってください。
サブリース契約(管理会社が借り上げて、オーナーに保証賃料を払う形)は、管理委託とは仕組みが違います。オーナーからの解約が成り立つかは、契約の内容と借地借家法の扱いで決まるため、サブリースの解約の記事にまとめた点で別に確かめてください。
変える前に確かめる6つの点
管理会社の収入は、毎月の管理料だけではありません。いまの会社とこれから選ぶ会社の両方について、次の点を同じ形で書き出すと、費用の全体を比べられます。
- 毎月の管理料(家賃の何%か、空室の月もかかるか)
- 更新のときの手数料(オーナーが払うものと、入居者が払う更新料は別)
- 募集のときの広告料(いくらで、誰に払うか)
- 退去後の原状回復の工事を誰に発注し、見積もりに上乗せや紹介料が入っていないか
- 火災保険・家財保険・保証会社を選ぶとき、管理会社に手数料が入るか
- 解約の条件(何か月前の申し出か、違約金があるか)
費用の比べ方: 管理料と更新の手数料を、年あたりに直す
比べやすいのは、毎月の管理料と、更新のときの手数料を年あたりに直した合計です。更新は2年ごとが多いので、1回の手数料を2で割って年あたりにします。広告料と原状回復の実費は、募集や退去が起きたときだけかかるので、別に並べます。
下の表は、家賃8.5万円の部屋で、いまの契約が「管理料は家賃の5%・更新の手数料は家賃の0.5か月分」だった場合と、当社の賃貸管理(ワンルーム専門管理)の料金を比べた計算例です。この例では、年あたり約4.9万円の差になります。
| 項目 | 家賃の5%・更新0.5か月分の契約 | ワンルーム専門管理 | 年あたりの差 |
|---|---|---|---|
| 毎月の管理料 | 4,250円(年 51,000円) | 980円(年 11,760円) | 39,240円 |
| 更新の手数料(2年に1回) | 42,500円(年あたり 21,250円) | 22,000円(年あたり 11,000円) | 10,250円 |
| 合計(年あたり) | 72,250円 | 22,760円 | 約4.9万円 |
※ 家賃8.5万円・2年ごとの更新の場合の計算例で、金額はいずれも税込。いまの契約の条件は物件ごとに違うため、ご自身の契約書の数字で計算し直してください。広告料・原状回復の実費・解約の費用は含めていません。ワンルーム専門管理の料金は2026年10月時点のものです。詳しくは精度の検証ページをご覧ください。
判断を誤りやすい例
管理会社の変更でつまずくのは、料金よりも手続きの抜けです。次の点に気をつけてください。
- 毎月の管理料だけで比べる: 更新・募集・退去のときの費用や、工事の見積もりの上乗せで、年あたりの差が逆になることがあります
- 新しい会社が決まる前に解約を申し出る: 予告の期間が過ぎても次の会社が決まらず、管理が途切れる月ができることがあります
- 敷金の引継ぎを確かめない: 入居者から預かった敷金を誰が持っているかを、書面で確かめてから引き継ぎます
- 入居者への案内を後回しにする: 振込先の変更が伝わらないと、家賃が前の会社に振り込まれ続けます
本記事は一般的な考え方の解説です。表示する価格は概算であり、実際の売却価格を保証するものではありません。売却をご希望の場合は、当社または提携する宅地建物取引業者が対応します。
この記事に関するQ&A
- Q. 管理会社を変えるのに、入居者の同意は必要ですか?
- A. 賃貸借契約の貸主はオーナーのままなので、契約を結び直す必要は通常ありません。ただし、家賃の振込先と連絡の窓口が変わるため、入居者には書面で案内します。保証会社を使っている場合は、保証会社によって手続きが違うので、新しい管理会社と一緒に確かめます。
- Q. 管理会社を変えると、売るときに不利になりますか?
- A. 投資用ワンルームの売却価格は、受け取る家賃・築年・所在地などで決まり、管理会社の名前で決まるものではありません。むしろ更新のときに賃料を見直して家賃が相場に近づけば、売却価格の目安も上がります。売る予定があるなら、管理の契約に途中解約の違約金がないかを先に確かめておくと安心です。
- Q. 空室のままでも、管理会社を変えられますか?
- A. 変えられます。空室の場合は、新しい管理会社が募集から始めることになるので、募集の条件と広告料、空室の月の管理料の扱いを先に確かめてください。ワンルーム専門管理は、空室の月も同じ980円です。
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橋本裕介
不動産アナリスト/経済アナリスト・宅地建物取引士
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