ワンルーム売却の基礎知識

ワンルームの管理委託料は家賃の何%?料率の見方と、率だけで比べてはいけない理由

投資用ワンルームの管理委託料は、家賃の数%で決める契約が多く、当社が相談で見てきた範囲では3〜5%です。家賃ごとの年額の表と、料率が同じでも費用の合計が変わる4つの点、家賃の%と定額の違い、見直しの進め方をまとめます。

執筆・監修:橋本裕介(不動産アナリスト/経済アナリスト・宅地建物取引士)|更新日 2026-10-27

結論: 家賃の3〜5%が多い。ただし率だけでは比べられない

投資用ワンルームの管理委託料(管理会社に毎月払う管理料)は、家賃に一定の率を掛けて決める契約が多く、当社が相談で見てきた範囲では家賃の3〜5%です。国土交通省の標準の管理受託契約書でも、報酬の額は当事者が決める形になっており、決まった料率はありません。公的な統計で平均の料率が公表されているものは、2026年10月時点で当社が確認した範囲では見当たりませんでした。

料率は分かりやすい目安ですが、それだけで比べると判断を誤ります。同じ5%でも、空室の月にかかるか、更新や募集のときに別の費用がかかるか、工事の見積もりに上乗せがあるかで、年間に払う合計は変わります。

  • 料率は家賃の3〜5%が多い(当社が見てきた範囲の目安。すべての会社に当てはまるものではない)
  • 家賃が低いワンルームほど、率で決まる管理料は金額で見ると小さくなる
  • 比べるのは、管理料・更新・募集・退去のときの費用を合わせた年間の合計

家賃ごとに見た管理委託料の年額

料率を金額に直すと、差がはっきりします。下の表は、家賃6万円・8.5万円・10万円の部屋で、管理料が家賃の3%と5%の場合の年額を計算したものです。比べやすいように、当社の賃貸管理(ワンルーム専門管理)の定額も並べました。

家賃(月)家賃の3%家賃の5%定額 980円(ワンルーム専門管理)
6万円月 1,800円(年 21,600円)月 3,000円(年 36,000円)月 980円(年 11,760円)
8.5万円月 2,550円(年 30,600円)月 4,250円(年 51,000円)月 980円(年 11,760円)
10万円月 3,000円(年 36,000円)月 5,000円(年 60,000円)月 980円(年 11,760円)

※ 毎月の管理料だけの計算例で、更新・募集・退去のときの費用は含めていません。家賃の%で決める契約は、消費税の扱い(税込か税別か)も契約で確かめてください。ワンルーム専門管理の料金は税込・2026年10月時点のものです。詳しくは精度の検証ページをご覧ください。

料率が同じでも、年間の合計が変わる4つの点

管理委託料の契約を比べるときは、率に加えて次の4つを同じ形で書き出してください。いまの契約書と、これから選ぶ会社の見積もりの両方で確かめると、年間に払う合計を比べられます。

  • 空室の月にかかるか: 家賃の%で決める契約も定額の契約も、空室の月の扱いは契約ごとに違う
  • 更新のときの手数料: オーナーが管理会社に払うもの(家賃の0.5〜1か月分などの契約がある)。入居者が払う更新料とは別
  • 募集のときの広告料: いくらで、誰に払うか。募集の前に説明があるか
  • 工事と保険の上乗せ: 原状回復・設備交換の見積もりに上乗せがないか、保険会社・保証会社・工事会社から管理会社に紹介料が入るか

家賃の%と定額は、どちらがよいか

家賃の%で決める契約は、家賃が上がれば管理料も増え、家賃が下がれば減ります。管理会社にとっては家賃を保つ理由になる一方、オーナーから見ると、家賃の高い部屋ほど同じ業務に多く払う形になります。

定額の契約は、家賃にかかわらず金額が変わりません。家賃が上がった分は、そのままオーナーの手取りになります。投資用ワンルームは1室ごとの業務の量に大きな差がないため、家賃が高めの部屋ほど定額のほうが有利になりやすい計算です。どちらがよいかは、毎月の金額だけでなく、上の4つの点を含めた合計と、業務の中身で決まります。

管理委託料は見直せるか

管理委託料は、法律で決まった額ではなく、オーナーと管理会社の契約で決まります。契約の更新の時期に、料率や更新の手数料の見直しを相談することはできます。応じるかどうかは会社の判断で、見直しの代わりに業務の範囲が変わることもあります。

見直しを相談するときは、いまの契約の条件(料率・更新の手数料・広告料・解約の条件)を書き出し、ほかの会社の見積もりと年間の合計で並べるのが近道です。管理会社を変える場合の手順と、解約の条件の確かめ方は、管理会社の変え方の記事にまとめています。

  • 判断を誤りやすい例: 料率の低さだけで選ぶ。更新・募集・工事の費用で、年間の合計が逆になることがあります
  • 判断を誤りやすい例: 管理料を下げる交渉だけをする。家賃の見直し(更新のときの賃料の検証)のほうが、手取りへの効き目が大きいことがあります

本記事は一般的な考え方の解説です。表示する価格は概算であり、実際の売却価格を保証するものではありません。売却をご希望の場合は、当社または提携する宅地建物取引業者が対応します。

この記事に関するQ&A

Q. サブリースの「手数料」も、管理委託料と同じように考えてよいですか?
A. 仕組みが違います。サブリースは、サブリース会社が部屋を借り上げ、オーナーに保証賃料を払う形です。手数料の欄があるわけではなく、入居者の家賃と保証賃料の差がサブリース会社の取り分になります。当社が集めた成約の資料では、保証賃料は通常の家賃の90%(中央値)でした。管理委託と比べるときは、受け取る家賃の差で比べてください。
Q. 管理委託料は、確定申告で経費になりますか?
A. 管理会社に払う管理委託料は、一般に不動産所得の必要経費に含められます。更新の手数料や広告料も同じように扱われることが多いですが、個別の扱いは税理士か税務署にご確認ください。
Q. 空室の月も管理委託料はかかりますか?
A. 契約によります。家賃の%で決める契約も定額の契約も、空室の月の扱いは契約ごとに違うので、契約書で確かめてください。ワンルーム専門管理は、空室の月も同じ980円(税込)です。

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橋本裕介

不動産アナリスト/経済アナリスト・宅地建物取引士

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