築年数・金利・家賃のよくある悩みQ&A:築20年は売れなくなる?築30年の前に売る?金利が上がったら?
「築20年のワンルームは売れなくなる?」「築27〜29年はいま売るべき?」「政策金利が0.25%上がると価格はいくら下がる?」「家賃を上げてから売るといくら高くなる?」の4つに、当社が検証した成約と計算例で答えます。
執筆・監修:橋本裕介(不動産アナリスト/経済アナリスト・宅地建物取引士)|更新日 2026-10-23
この記事で答える4つの悩み
築年数・金利・家賃は、投資用ワンルームの価格を動かす3つの要素です。どれがどのくらい効くかを、同じ物件の計算例で並べると、何を優先して考えるべきかが見えてきます。
- 築20年のワンルームは売れなくなる? → なりません。価格の段差は築30年
- 築27〜29年。いま売るか、築30年を過ぎてから売るか → 段差の大きさは、金利や家賃の変化よりずっと大きい
- 政策金利が0.25%上がると、売却価格はいくら下がる? → 計算例で約6%。家賃が5%下がったのとほぼ同じ
- 家賃を上げてから売ると、いくら高くなる? → 表示例で家賃を5%上げると約130万円
Q. 築20年のワンルームは売れなくなりますか?
売れなくなりません。投資用ワンルームの価格は、築20年を超えても築30年までは、築年数より家賃で決まります。当社が検証した東京23区の成約338件では、築10年から築29年までの価格の水準(家賃に対する価格)はほぼ変わらず、段差は築30年にありました。同じ家賃なら、築30年を超えると価格は1〜2割下がります。
段差が築30年にあるのは、買い手が使えるローンの期間が、築年数が進むと短くなるためです。築20年の時点で慌てて売る必要はなく、家賃と残債、築30年までの残りの年数を並べて考えます。
| 築年数 | 価格の水準(同じ家賃で比べた場合) | 考え方 |
|---|---|---|
| 築10〜19年 | ほぼ同じ | 家賃で決まる |
| 築20〜29年 | ほぼ同じ | 家賃で決まる。築27年からは築30年までの残りを意識する |
| 築30年以上 | 1〜2割下がる | 買い手のローン期間が短くなる。価格は幅で見る |
※ 当社が検証した東京23区の成約338件の傾向。横浜市・川崎市・京都市も同じ形でした。傾向で、個別の価格を保証するものではありません。詳しくは精度の検証ページをご覧ください。
Q. 築27〜29年です。いま売るか、築30年を過ぎてから売るか?
比べる数字は、築30年の段差の大きさです。計算例(東京23区の築27年の部屋・当サイトの価格の目安 2,850万円)では、築30年まで残り2年11か月で、築30年を過ぎると価格の目安は2,260万円と、約590万円下がる計算になりました。同じ部屋で、政策金利が0.25%上がった場合の下がり幅は約170万円、家賃が5%下がった場合は約180万円です。
つまり、この部屋では築30年の段差が、金利や家賃の変化より3倍以上大きく効きます。売るなら築30年になる前が有利で、持ち続けるなら築30年以降は価格が下がった前提で、残債の減り方と毎月の収支を考えます。どちらが良いかは、残債・金利・持ち続ける目的で変わるため、売却をおすすめするものではありません。
当サイトの出口戦略診断で残債と金利を入れると、築27〜29年の部屋には「築30年まで残り何年何か月」と段差の大きさが出て、築30年の直前まで持って売った場合といま売った場合の差も計算します。
| 変化 | 価格の目安の変わり方(計算例) |
|---|---|
| 築30年を過ぎる | 約590万円下がる(2,850万円 → 2,260万円) |
| 政策金利が0.25%上がる | 約170万円下がる |
| 家賃が5%下がる | 約180万円下がる |
※ 東京23区の築27年の部屋の計算例(当サイトの保有診断と同じ計算)。金利と家賃は、ほかの条件を変えずに1つだけ動かした場合。計算上の目安で、実際の売却価格を保証するものではありません。詳しくは精度の検証ページをご覧ください。
Q. 政策金利が0.25%上がると、売却価格はどのくらい下がりますか?
上の計算例では約170万円(約6%)下がりました。家賃が5%下がった場合(約180万円)とほぼ同じ重さです。金利が上がると、買い手のローンの金利も上がり、買い手が求める利回りが上がるため、同じ家賃でも価格が下がります。
持っている側には、もう1つ効き目があります。変動金利のローンなら返済額が増え、毎月の収支が悪くなります。価格の下がりと収支の悪化の両方を並べて、持つか売るかを考えます。金利がどこまで上がるかは誰にも分からないため、当サイトの保有診断は、いまの金利・0.25%上・0.5%上の3つの場合を並べています。
Q. 家賃を上げてから売ると、いくら高くなりますか?
投資用ワンルームの価格は家賃で決まるため、家賃が上がれば価格も上がります。当サイトの表示例(東京都台東区の築9年の1K)では、価格の目安2,690万円の部屋で、家賃が5%上がると2,820万円と、約130万円高くなる計算です。
家賃を上げられるのは、更新のときに入居者と合意したときか、入居者が入れ替わって新しく募集するときです。更新のときの値上げは入居者の合意が要り、無理に上げて退去になると、空室の期間と募集の費用がかかります。いまの家賃が周辺の相場より低いかどうかを先に確かめ、低いなら、更新の前に根拠を示して相談するのが順番です。
- 判断を誤りやすい例: 家賃を上げる前に売り出す。相場より低い家賃のまま売ると、その家賃で価格が決まります。
- 判断を誤りやすい例: 退去後に高すぎる募集家賃を付ける。決まるまでの空室の期間が長いと、上げた分を取り戻せません。
本記事は一般的な考え方の解説です。表示する価格は概算であり、実際の売却価格を保証するものではありません。売却をご希望の場合は、当社または提携する宅地建物取引業者が対応します。
この記事に関するQ&A
- Q. いまの家賃が相場より安いかどうか、どう確かめればいいですか?
- A. 同じ建物や周辺の同じ広さ・同じ築年の部屋の募集家賃と比べます。当社の賃貸管理のページ(/kanri)の収支の点検では、物件名と面積を入れると、当社が集めた成約の家賃の中央値と比べて、いまの家賃の水準を示します。
- Q. 入居者の退去が決まりました。いま売るのと、入居を付けてから売るのと、どちらがいいですか?
- A. 投資用ワンルームの買い手の多くは、入居者がいる状態(家賃が分かる状態)を好みます。募集家賃が相場どおりで早く決まりそうなら、入居を付けてから売るほうが価格を確かめやすくなります。急ぐ事情がある場合や、30㎡以上で住まいとして売れる部屋は、空室のまま売る道もあります。
- Q. 固定金利で借りていれば、金利の上昇は関係ありませんか?
- A. 返済額は変わりませんが、売却価格には関係します。金利が上がると買い手のローンの金利が上がり、同じ家賃でも価格が下がるためです。売るときの価格は、自分のローンの種類に関係なく、買い手の金利で決まります。
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橋本裕介
不動産アナリスト/経済アナリスト・宅地建物取引士
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