賃貸管理料の3つの型(月額0円・定額・家賃の%)は何が違う?安さを年間の合計で比べる方法
賃貸管理料には月額0円・定額・家賃の%の3つの型があり、安さは毎月の管理料ではなく、更新・募集・工事の費用を合わせた年間の合計で決まります。家賃8.5万円の部屋では、家賃の5%+更新0.5か月分の契約が年 約7.2万円、月980円+更新22,000円の定額が年 約2.3万円です(2026年11月時点の計算例)。
投資用ワンルームの賃貸管理料には、月額0円・定額・家賃の%の3つの型があります。型ごとに、毎月の管理料のほかにどこで費用がかかるか、管理会社がどこで収入を得ているかを表にまとめ、家賃8.5万円の部屋で年間の合計を比べます。
執筆・監修:橋本裕介(不動産アナリスト/経済アナリスト・宅地建物取引士)|更新日 2026-11-02
結論: 管理料の安さは、毎月の金額ではなく年間の合計で比べる
投資用ワンルームの賃貸管理料は、大きく分けて「月額0円」「定額(毎月○円)」「家賃の%」の3つの型があります。毎月の管理料だけを見ると月額0円がいちばん安く見えますが、管理会社は管理料のほかに、更新の手数料・募集の広告料・工事・保険や保証会社の手数料などで収入を得ています。どこで費用がかかるかは型と会社によって違います。
比べるときは、毎月の管理料に、2年に1回の更新の費用、退去のたびの募集と原状回復の費用を足した年間の合計で並べてください。同じ合計なら、費用がどこにかかるかが契約書と見積もりで説明されている会社のほうが、あとで想定外の出費が出にくくなります。
- 月額0円: 毎月の管理料はかからない。更新・募集・工事など、ほかの場面の費用と業務の範囲を確かめる
- 定額: 家賃にかかわらず毎月の金額が同じ。家賃が上がった分はそのまま手取りになる
- 家賃の%: 家賃に料率を掛けて決まる。当社が相談で見てきた範囲では3〜5%の契約が多い
3つの型の違い(どこで費用がかかるか)
下の表は、3つの型で、毎月の管理料のほかに費用がかかりやすい場面を並べたものです。同じ型でも会社によって条件は違うので、表は確かめる項目の一覧として使ってください。
| 確かめる点 | 月額0円 | 定額(例: 月980円) | 家賃の%(例: 3〜5%) |
|---|---|---|---|
| 毎月の管理料 | 0円 | 家賃にかかわらず同じ額 | 家賃 × 料率 |
| 空室の月 | 0円 | 契約による | 家賃が入らない月はかからない契約が多い |
| 更新のとき | 手数料の額を確かめる | 手数料の額を確かめる | 手数料の額を確かめる |
| 募集のとき(広告料) | 額と支払先を確かめる | 額と支払先を確かめる | 額と支払先を確かめる |
| 工事・原状回復 | 見積もりに上乗せがあるか | 見積もりに上乗せがあるか | 見積もりに上乗せがあるか |
| 業務の範囲 | 基本の業務の範囲と、別料金の業務 | 月額に含む業務 | 料率に含む業務 |
| 解約のとき | 予告の期間と違約金 | 予告の期間と違約金 | 予告の期間と違約金 |
※ 当社が相談で見てきた範囲の一般的な傾向で、すべての会社に当てはまるものではありません。賃貸管理料の平均を示す公的な統計は、2026年11月時点で当社が確認した範囲では見当たりません。
家賃8.5万円の部屋で、年間の合計を比べる
入居者の家賃が8.5万円の部屋を2年間(更新1回)持つ場合で、毎月の管理料と更新のときの費用を合わせ、1年あたりに直しました。月額0円の型は、更新の手数料の額が会社によって違うため、仮に家賃の0.5か月分と1か月分の2通りで計算しています。
| 契約の例 | 毎月の管理料(2年) | 更新のときの費用(1回) | 1年あたりの合計 |
|---|---|---|---|
| 家賃の5%+更新0.5か月分 | 102,000円 | 42,500円 | 約72,300円 |
| 家賃の3%+更新0.5か月分 | 61,200円 | 42,500円 | 約51,900円 |
| 月額0円+更新1か月分(仮) | 0円 | 85,000円 | 約42,500円 |
| 月額0円+更新0.5か月分(仮) | 0円 | 42,500円 | 約21,300円 |
| 定額 月980円+更新22,000円(ワンルーム専門管理) | 23,520円 | 22,000円 | 約22,800円 |
※ 入居が2年続く前提の計算例です。募集のときの広告料、退去のときの原状回復、工事の見積もりの上乗せ、保険・保証会社の手数料は、どの型でも契約ごとに違うため含めていません。ワンルーム専門管理の料金は税込・2026年11月時点のもので、空室の月も同じ980円です。
表に出ない費用の見分け方
毎月の管理料と更新の費用が同じくらいでも、退去と工事のたびの費用で差がつきます。見積もりを取るときは、次の点を書面で答えてもらってください。答えが「その都度」「状況による」だけなら、どこで決まるのかを重ねて聞くと比べやすくなります。
- 原状回復・設備交換の見積もりに、管理会社の上乗せ(手数料)があるか
- 工事会社・保険会社・保証会社から、管理会社に紹介料が入るか
- 募集の広告料はいくらで、誰に払うか。募集の前に説明と承諾があるか
- 夜間・休日の対応、入居者のクレーム対応は月額に含まれるか、別料金か
- 送金の日と振込手数料、収支の報告の形
型ごとに向いている人
どの型がよいかは、持っている部屋の家賃と、売るかどうかの予定で変わります。
- 月額0円: 更新・募集・工事の費用と業務の範囲を、契約前にすべて書き出せる人
- 定額: 家賃が高めの部屋を持つ人、更新のたびに家賃を見直して手取りを増やしたい人
- 家賃の%: 家賃が低めで、管理料の額が定額より小さくなる部屋を持つ人
- どの型でも: 管理料の差より、更新のときの家賃の見直しのほうが手取りに大きく効くことがある
判断を誤りやすい例
管理会社を料金で選ぶときに、よくある見落としです。
- 毎月の管理料だけで比べる: 更新・募集・工事の費用で、年間の合計が逆になることがあります
- 料率と定額を同じ家賃で比べない: 家賃が高い部屋ほど、家賃の%の管理料は大きくなります
- 解約の条件を見ない: 安い会社に移ろうとしても、いまの契約の予告の期間や違約金で時期が決まります
本記事は一般的な考え方の解説です。表示する価格は概算であり、実際の売却価格を保証するものではありません。売却をご希望の場合は、当社または提携する宅地建物取引業者が対応します。
この記事に関するQ&A
- Q. 月額0円の管理会社は、本当に費用がかからないのですか?
- A. 毎月の管理料はかかりませんが、更新・募集・工事など、ほかの場面で費用がかかる契約があります。費用がかかる場面と額、基本の業務の範囲を契約前に書面で確かめ、年間の合計で比べてください。条件によっては、月額0円の型がいちばん安くなることもあります。
- Q. 定額と家賃の%は、どちらが安くなりますか?
- A. 家賃と料率で決まります。月980円の定額は、家賃の5%なら家賃2万円弱、3%なら家賃3.3万円ほどの部屋の管理料と同じ額です。投資用ワンルームの多くはこれより家賃が高いため、毎月の管理料は定額のほうが小さくなりやすい計算です。更新のときの費用も合わせて比べてください。
- Q. 管理会社を変えると、いまの入居者はどうなりますか?
- A. 入居者は住んだまま変えられます。貸主はオーナーのままで、変わるのは家賃の振込先と連絡の窓口です。切り替えの手順と、いまの契約の解約の条件の確かめ方は、管理会社の変え方の記事にまとめています。
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橋本裕介
不動産アナリスト/経済アナリスト・宅地建物取引士
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