ワンルーム売却の基礎知識

更新料と更新事務手数料の違いは?誰が誰に払うかと、オーナーの手取りの計算

更新料は入居者がオーナーに払うお金、更新事務手数料は更新の手続きの対価として管理会社が受け取るお金です。家賃8.5万円・更新料1か月分の例では、手数料が0.5か月分ならオーナーの手取りは42,500円、定額22,000円なら63,000円です。

賃貸の更新でかかる「更新料」と「更新事務手数料」は、払う人も受け取る人も違います。誰が誰に払うかの整理、オーナーの手取りの計算例(家賃8.5万円・更新料1か月分)、更新の手数料で何をしてもらうか、契約で確かめる点をまとめます。

執筆・監修:橋本裕介(不動産アナリスト/経済アナリスト・宅地建物取引士)|更新日 2026-10-27

結論: 更新料は入居者からオーナーへ。更新事務手数料は管理会社へ

賃貸借契約の更新のときに動くお金は、名前が似ていても中身が違います。更新料は、入居者が貸主(オーナー)に払うお金で、賃貸借契約の特約で定めます。更新事務手数料は、更新の手続きの対価として管理会社が受け取るお金で、オーナーが払う契約と、入居者が払う契約があります。

オーナーの手取りに関わるのは、受け取る更新料から、管理会社に払う更新の手数料を引いた額です。更新料の一部を管理会社の手数料に充てる契約もあるため、いまの管理委託契約と賃貸借契約の両方で、誰が誰にいくら払うかを確かめておくと、更新のたびの手取りが分かります。

誰が誰に払うか

3つのお金を、払う人・受け取る人・決めている契約で並べると、次のとおりです。

名前払う人受け取る人決めている契約
更新料入居者オーナー(貸主)賃貸借契約の特約(家賃の何か月分など)
更新事務手数料(オーナー負担)オーナー管理会社管理委託契約(家賃の何か月分、または定額)
更新事務手数料(入居者負担)入居者管理会社賃貸借契約・更新の案内(定めがある場合)

※ 更新料の有無や金額は、地域や物件の募集条件によって違い、更新料の無い契約もあります。どれがかかるかは契約ごとに確かめてください。

オーナーの手取りの計算例(家賃8.5万円・更新料1か月分)

家賃8.5万円の部屋で、賃貸借契約の更新料が家賃1か月分の場合、オーナーは更新のときに85,000円を受け取ります。そこから管理会社に払う更新の手数料を引いた額が、更新1回あたりの手取りです。

管理会社に払う手数料が家賃の0.5か月分(42,500円)なら、手取りは42,500円です。当社の賃貸管理(ワンルーム専門管理)の更新業務報酬は1回22,000円(税込・定額)なので、手取りは63,000円になります。更新料の無い契約では、オーナーが払う手数料だけがかかります。

  • 更新料 85,000円 − 手数料 42,500円(家賃の0.5か月分)= 手取り 42,500円
  • 更新料 85,000円 − 手数料 22,000円(ワンルーム専門管理の定額)= 手取り 63,000円
  • 更新料なしの契約 − 手数料 = 手数料の分だけ持ち出し

更新の手数料で、何をしてもらうか

更新の手数料は、更新の書類を作るだけの対価のこともあれば、家賃の見直しを含むこともあります。金額だけでなく、何をしてもらえるかを確かめてください。家賃を見直せるのは更新のときが多く、手数料の差より、家賃の差のほうが手取りへの効き目が大きいことがあります。

ワンルーム専門管理の更新業務報酬には、周辺の家賃の相場と現行の契約の確認、賃料と条件の見直しのご提案、入居者との協議、更新覚書の作成が含まれ、増額できたかどうかで金額は変わりません。家賃を変えるには入居者との合意が基本で、合意できないときは調停などの手続きになるため、相場と転居の費用を示して話し合います。

  • 周辺の家賃の相場を確かめ、見直しを提案するか
  • 入居者との協議と、更新覚書(合意書)の作成まで行うか
  • 保証会社の更新や、火災保険の更新の案内も含むか
  • 入居者が更新せず退去した場合に、手数料がかかるか

更新料の特約は有効か

更新料の特約については、最高裁判所の判決(平成23年7月15日)で、賃貸借契約書に一義的かつ具体的に書かれていて、更新料の額が家賃の額や更新の期間に照らして高すぎるなどの特段の事情がなければ、消費者契約法により無効にはならないと判断されています。

つまり、更新料を受け取るには、賃貸借契約書に金額や計算の方法がはっきり書かれていることが前提です。契約書の書き方に不安があるときや、入居者と争いになりそうなときは、専門家にご相談ください。

判断を誤りやすい例

更新のお金は、2つの契約にまたがるため、片方だけを見て判断を誤りやすいところです。

  • 更新料はすべてオーナーの収入だと思い込む: 管理委託契約で、更新料の一部が管理会社の手数料に充てられていることがあります
  • 手数料の金額だけで管理会社を比べる: 家賃の見直しを含むかどうかで、手取りへの効き目が大きく変わります
  • 更新料なしの物件で手数料を見落とす: 更新料が入らなくても、管理会社への手数料はかかる契約があります

本記事は一般的な考え方の解説です。表示する価格は概算であり、実際の売却価格を保証するものではありません。売却をご希望の場合は、当社または提携する宅地建物取引業者が対応します。

この記事に関するQ&A

Q. 受け取った更新料は、確定申告で収入になりますか?
A. 一般に、貸主が受け取る更新料は不動産所得の収入に含まれ、管理会社に払う更新の手数料は必要経費に含められます。個別の扱いは税理士か税務署にご確認ください。
Q. 入居者が更新せずに退去したら、更新料や手数料はどうなりますか?
A. 更新しない場合、更新料は通常発生せず、オーナーが払う更新の手数料も発生しないのが一般的です。ワンルーム専門管理の更新業務報酬も、更新のときに発生し、更新の前に退去したときは発生しません。代わりに、次の入居者の募集の費用がかかります。
Q. 更新のときに家賃を上げることはできますか?
A. 入居者と合意できれば上げられます。周辺の同じ広さ・同じ築年の部屋の家賃と比べて低いときは、見直しを提案する理由になります。合意できないときは調停などの手続きになるため、相場の資料と、転居にかかる費用を示して話し合うのが基本です。

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橋本裕介

不動産アナリスト/経済アナリスト・宅地建物取引士

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