ワンルーム投資の税金の還付は、初年度だけ大きい。2年目にいくら減るか、売るときの税金まで入れた計算例
表示例の部屋(台東区・築18年・2,480万円)を年収700万円の人が買うと、税金の還付は初年度 約22.6万円、2年目 約4.1万円、11年の合計 約54万円です。売るときには約59万円の税金がかかるため、還付を足した手元 +91万円は、売るときの税金を引くと +32万円、入れ替えなどの費用まで入れると −29万円になります(2026年11月6日時点の計算)。
投資用ワンルームの「節税」で戻る税金は、初年度が大きく2年目から小さくなります。年収500万〜1,500万円で、初年度・2年目・5年目・11年目の還付と、売るときの税金まで入れた手元を同じ部屋で計算した表。
執筆・監修:橋本裕介(不動産アナリスト/経済アナリスト・宅地建物取引士)|更新日 2026-11-06
結論: 還付は初年度だけ大きく、売るときに税金が戻ってくる
投資用ワンルームの税金の還付は、家賃収入から経費(管理費・修繕積立金・ローンの利息・減価償却など)を引いた赤字を、給与と合算して申告することで、払いすぎた所得税・住民税が戻る仕組みです。初年度は登記やローンの手数料など購入時の費用が経費になるため大きく、2年目からはその分が無くなって小さくなります。
売るときには、減価償却した分だけ取得費が下がった利益に税金がかかります。所有5年を超えれば約20%です。つまり、持っているあいだに戻った税金の一部は、売るときに払い直す形になります。説明が初年度の還付だけで止まっていないかを確かめてください。
年収ごとの還付と、売るときの税金(表示例の部屋・11年後に売る場合)
台東区・築18年・25.5㎡・家賃88,000円の部屋を2,480万円(自己資金10万円・金利1.9%・35年)で買い、築30年の直前(11年後)に売る場合です。建物の価格は購入価格の7割、初年度に経費にする購入時の費用は60万円、減価償却は中古の簡便法で計算しています。
| 年収 | 税率の目安 | 初年度 | 2年目 | 5年目 | 11年目 | 11年の合計 | 売るときの税金 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 500万円 | 20.2% | 15.0万円 | 2.7万円 | 2.3万円 | 1.4万円 | 36万円 | 59万円 |
| 700万円 | 30.4% | 22.6万円 | 4.1万円 | 3.5万円 | 2.1万円 | 54万円 | 59万円 |
| 1,000万円 | 30.4% | 22.6万円 | 4.1万円 | 3.5万円 | 2.1万円 | 54万円 | 59万円 |
| 1,500万円 | 43.7% | 32.4万円 | 5.9万円 | 5.0万円 | 3.0万円 | 77万円 | 59万円 |
※ 購入前チェックの計算(2026年11月6日時点)。税率は給与所得控除・社会保険料(年収の15%・上限200万円)・基礎控除58万円を引いた課税所得の所得税率(復興特別所得税を含む)に住民税10%を足した目安で、ほかの控除は入れていません。実際の税額は税理士にご確認ください。
還付を足した手元と、税金と費用まで入れた手元
同じ部屋で、家賃と返済だけの11年後の手元は +37万円です。これに還付を足すと、販売のときの説明によくある数字になります。そこから売るときの税金と、入居者の入れ替え・設備の交換・修繕積立金の値上がりを引いたものが、実際に近い手元です。
| 年収 | 家賃と返済だけ | 還付を足す(説明によくある形) | 売るときの税金を引く | 入れ替え・設備・値上がりまで引く |
|---|---|---|---|---|
| 500万円 | +37万円 | +73万円 | +14万円 | −56万円 |
| 700万円 | +37万円 | +91万円 | +32万円 | −29万円 |
| 1,000万円 | +37万円 | +91万円 | +32万円 | −29万円 |
| 1,500万円 | +37万円 | +114万円 | +55万円 | +6万円 |
※ 入れ替えは4年に1回(空室2か月・広告料1か月・クリーニング4万円)、設備は年1.4万円、修繕積立金は国交省ガイドラインの平均に満たない分を6年目から上げる前提。概算で、将来の利益をお約束するものではありません。
販売会社に確かめること
還付の説明を受けたら、次の3点を聞くと、初年度だけの数字かどうかが分かります。
- その還付額は、何年目の数字か。2年目以降はいくらか
- 年収と、初年度に経費にする費用(登記・ローンの手数料など)の額はいくらで計算しているか
- 売るときの税金(減価償却した分の利益にかかる税金)は、説明の数字に入っているか
判断を誤りやすい例
「節税」という言葉で、戻る額と払う額の両方を見落としやすいところです。
- 初年度の還付が毎年続くと思う: 2年目から大きく減ります(表示例では22.6万円 → 4.1万円)
- 年収が高いほど得だと考えて買う: 還付は増えますが、売るときの税金は年収に関係なく同じです
- 還付を毎月の負担の穴埋めに数える: 入れ替えや設備の費用のほうが大きいことがあります
本記事は一般的な考え方の解説です。表示する価格は実際の成約で確かめた計算による目安で、実際の売却価格を保証するものではありません。売却をご希望の場合は、当社または提携する宅地建物取引業者が対応します。
この記事に関するQ&A
- Q. 還付はいつ、どうやって受け取りますか?
- A. 毎年の確定申告で、前年分の所得税が還付され、住民税は翌年度の額が減る形です。初年度の還付を受けるには、購入した年の分を翌年に申告します。手続きと実際の額は税理士にご確認ください。
- Q. 売るときの税金は、いくらになりますか?
- A. 売った価格から、取得費(購入価格から減価償却した分を引いた額)と売却の費用を引いた利益に、所有5年超なら約20%、5年以下なら約39%の税率がかかります。表示例では11年後に約59万円です。損失なら税金はかかりません。
- Q. 年収700万円と1,000万円で還付が同じなのはなぜですか?
- A. この計算では、どちらも課税所得が同じ税率の区分に入るためです。課税所得が区分の境目を超えると税率が変わります。個別の額は税理士にご確認ください。
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橋本裕介
不動産アナリスト/経済アナリスト・宅地建物取引士
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