ワンルーム専門査定買い手の融資の目線で出す売却価格

ワンルーム売却の基礎知識

ローン残債が売却価格を上回るとき、投資用ワンルームはどうする?

残債が売却価格の目安を上回る(売ると持ち出しになる)投資用ワンルームの考え方。持ち出しの計算(価格−仲介手数料−残債)、残債2,000万円・金利1.9%・返済8万円の例で何年持てば残債が手取りを下回るか、サブリース・築30年前の注意、選択肢を整理します。

執筆・監修:橋本裕介(不動産アナリスト/経済アナリスト・宅地建物取引士)|更新日 2026-10-08

結論:持ち出しの額と、残債が手取りを下回るまでの年数を先に出す

ローン残債が売却価格の目安を上回っている状態では、売ると差額を自分で用意する(持ち出し)ことになります。この状態で決めることは2つです。いま売った場合の持ち出しがいくらか、そして持ち続けた場合に残債が売却の手取りを下回るのは何年後か。この2つの数字が出れば、「いま持ち出して売る」「残債が下がるまで持つ」のどちらが自分の事情に合うかを比べられます。

当社の出口戦略診断では、残債を入力すると、残債と価格の関係を「残債が上回る」「間にある」「下回る」の3つに分けて表示し、借入金利と毎月の返済額があれば、残債が手取りを下回るまでの年数も計算します。

持ち出しの計算:価格 − 仲介手数料 − 残債

売却の手取りは、売却価格から仲介手数料(上限は価格の3%+6万円に消費税)を引いた金額です。これが残債より少なければ、差額が持ち出しです。計算例: 売却価格の目安が1,900万円、残債が2,000万円なら、仲介手数料の上限は69.3万円、手取りは1,830.7万円、持ち出しは約169万円です。

持ち出しには、このほかにローンの繰上返済手数料・抵当権抹消の費用・印紙税が加わります。売却で損が出る場合、譲渡所得税はかかりません。残債を手取りで返しきれない場合、金融機関の承諾を得て不足分を別途返済する手続きになるため、売却の前に金融機関へ相談が必要です。

計算例:残債2,000万円・金利1.9%・毎月8万円の返済

残債2,000万円を金利1.9%・毎月8万円で返している場合、残りの返済期間は約26年半です。残債は1年で約59万円、3年で約179万円減ります。売却価格の目安が1,900万円のまま変わらないとすると、残債が売却の手取り(1,830.7万円)を下回るのは約3年後(35か月後)です。目安が1,800万円なら約4年半、1,700万円なら約6年かかります。

この計算は価格が変わらない前提です。実際には、家賃が下がれば価格も下がり、築30年を超えると価格の水準が1〜2割下がります。築27〜29年の物件で「残債が下がるまで持つ」を選ぶと、残債が減るより先に価格が下がって、持ち出しがかえって増えることがあります。年数を出すときは、築30年までの年数と並べて見てください。

売却価格の目安仲介手数料(上限)売却の手取りいま売った場合の持ち出し残債が手取りを下回るまで
1,900万円69.3万円1,830.7万円約169万円約3年(35か月)
1,800万円66万円1,734万円約266万円約4年半(53か月)
1,700万円62.7万円1,637.3万円約363万円約6年(71か月)

※ 残債2,000万円・金利1.9%・毎月の返済8万円(元利均等・残り約26年半)の例。価格が変わらない前提で、残債が売却の手取りを下回る月数を計算。仲介手数料は上限(価格×3%+6万円、消費税10%)。繰上返済手数料・抵当権抹消の費用・印紙税は含んでいません。目安は概算で、実際の売却価格を保証するものではありません。詳しくは精度の検証ページをご覧ください。

残債と価格の関係は3つに分かれる

残債と価格の目安の位置で、取れる選択肢が変わります。当社の診断では次の3つに分けています。

  • 残債が価格の目安を上回る: 売ると持ち出し。持ち出しの額と、残債が手取りを下回るまでの年数を出して、「いま持ち出して売る」か「下がるまで持つ」かを決めます。毎月の収支が赤字なら、持つ年数ぶんの赤字も持ち出しに加えて比べます。
  • 残債が2つの価格の間にある(サブリース中): サブリースを引き継いで売る目安は残債を下回るが、外した場合の目安は残債を上回る状態。契約内容によっては、サブリースを見直してから売ると持ち出しを避けられます。解約の可否は契約書によるため、専門家に確認してから進めます。
  • 残債が価格の目安を下回る: 売れば手残りが出る状態。売る・持つは収支と希望時期で決めます。

持ち出しになるときの選択肢

  • いま持ち出して売る: 毎月の収支が赤字で、持つほど損が増える場合。転勤・相続・金利上昇など、持ち続ける理由が無くなった場合。持ち出しの額を用意できることが条件です。
  • 残債が下がるまで持つ: 毎月の収支が黒字か小さな赤字で、築30年までに余裕がある場合。年数の目安は上の表の計算で出ます。
  • 家賃を上げてから売る: 家賃が周辺の水準より低いなら、次の入居者で家賃を戻すと価格が上がり、持ち出しが減ることがあります。空室や更新のタイミングで検討します。
  • 繰上返済で残債を減らしてから売る: 手元の資金で残債を減らし、売却時の持ち出しをなくす方法。資金の使い道として合うかは別途判断が必要です。

判断を誤りやすい例

  • 持ち出しの額を見ずに「売れない」と決めつける。169万円の持ち出しと、年に数十万円の赤字を抱えて持ち続ける損を比べると、売るほうが少ない場合があります。
  • 価格が変わらない前提で「3年持てば大丈夫」と考える。築27〜29年なら、3年後には築30年を超えて価格の水準が下がります。
  • 残債より高い買取の提示額だけを頼る。買取の提示額は仲介で成約する価格より低いのが普通なので、持ち出しが増える方向に働きます。
  • 金融機関に相談せずに売り出す。残債が手取りで返しきれない場合は、抵当権の抹消に金融機関の承諾が要ります。

当サイトでできること

無料査定で売却価格の目安を出し、出口戦略診断で残債・借入金利・毎月の返済額を入力すると、残債と価格の関係、仲介手数料を引いた手残りまたは持ち出し、残債が手取りを下回るまでの年数を表示します。結論は断定せず、数字を並べて判断の材料にしていただく形です。

本記事は一般的な考え方の解説です。表示する価格は概算であり、実際の売却価格を保証するものではありません。売却をご希望の場合は、当社または提携する宅地建物取引業者が対応します。

この記事に関するQ&A

Q. 残債が売却価格より多いと、売れませんか?
A. 売れます。ただし、売却の手取りで残債を返しきれない差額を自分で用意する(持ち出し)必要があり、抵当権を外すために金融機関の承諾が要ります。持ち出しの額は「売却価格 − 仲介手数料 − 残債」で出せます。
Q. 何年持てば、残債が売却価格を下回りますか?
A. 残債・金利・毎月の返済額と、売却価格の目安から計算できます。残債2,000万円・金利1.9%・返済8万円で目安が1,900万円なら約3年です。価格が変わらない前提の計算なので、築30年を超える時期や家賃の変化と合わせて見てください。当社の出口戦略診断で自動で計算します。
Q. 持ち出しで売るか、持ち続けるか、どちらが得ですか?
A. 一概には言えません。比べるのは「いま売った場合の持ち出し」と「持ち続けた場合の累計の赤字+将来の価格の変化」です。毎月の収支が黒字で築30年まで余裕があるなら持つ選択が取りやすく、赤字が続くなら持ち出して売るほうが損が少ないことがあります。

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査定を監修するのは私です

橋本裕介

不動産アナリスト/経済アナリスト・宅地建物取引士

査定の計算方法と精度は、実際の成約で検証しています。当サイトは売却をおすすめするための査定ではなく、いま売るといくらか、持ち続けるとどうかを、オーナーの立場で整理するためのものです。

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